あったか木の家

健康によい木のある環境
健康で長生きしたい。誰もが思うことでしょう。
木のある環境には、そんな思いに応えてくれるなにかがありそうです。
木材と私たちの健康との関係については分からないことも少なくありませんが、
まずはお気に入りの木の遊具や家具から、木のある環境づくりを始めてみませんか。
健康によい意外な効果を発見するかもしれません。
ここでは、健康によい木のある環境についての話題を、科学データをもとに紹介してみました。


木のある暮らしが健康を守る
 ある老人ホームで、眠れない人やけがをした人について調査したところ、木をたくさん使っている施設の中にいる人が、インフルエンザにかかったり、けがをしたり、眠れなかったりする人の数が少ないということが判りました。人にやさしい木に囲まれて暮らすことが、健康を守るよい方法のひとつといえそうです。
  ●特別養護老人ホームにおける入居者を対象とした
 施設の木材使用度別の心身不調出現率比較
入居者の心身不調の内容 対入居定員比(%)
  木材使用の
多い施設
木材使用の
少ない施設
インフルエンザ罹患者 16.2 21.4
ダニ等でかゆみを訴えた入居者 4.4 5.4
転倒により骨折等をした入居者 8.0 12.1
不眠を訴えている入居者 2.4 5.3
有意差(P < 0.01)の認められたもの
資料:全国社会福祉協議会「高齢者・障害者の心身機能の向上と木材利用−福祉施設内装材等効果検討委員会報告書」。調査期間は平成9年12月から平成10年1月。


木の空間は長生きのひけつ
 マウスを使って長生きの実験をしたところ、木のゲージで飼ったマウスの方が金属やコンクリートのゲージで飼ったマウスよりも長生きすることが判りました。成長の様子をみても、木のゲージのマウスの方がよく育っています。私たちも木の家で暮らせば、長生きできそうですね。

●素材の異なるケージでのマウスの生存率と成長
素材の異なるケージでのマウスの生存率グラフ   素材の異なるケージでのマウスの体重グラフ
資料:伊藤 他 静岡大学農学部 報告,1987より


ダニを寄せつけないのは木の床
 あるマンションでダニに悩む家の床を、カーペットから木のフローリングに替えたところ、ダニの数が激減したという調査結果があります。これは、木が湿気を吸い取ったり、ダニの隠れるすきまが無くなり、ダニが住みにくくなったからだと考えられます。また、木の成分にダニを寄せつけない効果があることもわかっています。ダニはアレルギーを引き起こすともいわれるだけに、清潔で健康な暮らしづくりに木の果たす役割も大きいといえます。
  ●フローリング改装前と改装後のダニ数の変化
フローリング改装前と改装後のダニ数の変化のグラフ
資料:高岡・高野・宮崎,1985より


木材の殺菌パワー
 最近O−157による食中毒や抗生物質のきかない殺菌(MRSA)による院内感染のニュースがテレビや新聞をにぎわせていますが、ヒバなどの木の成分には、こうした細菌に対して強い殺菌パワーがあることがわかっています。細菌などを寄せつけないことから、木の内装にする病院もあります。
  ●MRSAに対するヒノキチオールの抗菌活性
MRSAに対するヒノキチオールの抗菌活性のグラフ
資料:飯沼 他 木材学会誌 vol.40.No.11.1994より



リラックスできる木の空間
 森を散歩すると気分がいいのは、木から出るフィトンチッドという成分のためだといわれていますが、そのフィトンチッドを使った実験の結果、血圧が下がったり、脈拍のみだれが少なくなるなど、木の成分には私たちをリラックスさせる効果があることが判りました。ストレスの多い現代人にとって、木の家は理想の住まいといえるでしょう。
●血圧、脈拍、ストレスホルモンへの木の香りの効果
血圧への効果 脈拍への効果 ストレスホルモンへの効果
資料:宮崎良文,1996より



コラム:木のにおいが効く!
 木のにおいには、人の心に安らぎを与える何かがあります。たとえば、木のにおいのする部屋で寝ると疲れが早く取れるといわれ、最近では、木のチップや木の葉を入れた枕が人気を呼んでいます。木のにおいの効果で心地よく眠ろうというわけです。また、ヒノキ材のにおいは、リラックスしたいときに発生する脳波のアルファー波を増やすことが判っています。ヒノキ風呂に入ると、疲れが取れ、気分がさわやかになるのは、体が温まるためばかりじゃなく、ヒノキのにおいの効果も一役買っているんですね。木の香ただよう木の家は、安らぎの生活空間を約束してくれるに違いありません。


悪臭を消す木のにおい
 木はよいにおいがしますが、このにおいに悪臭を消す働きがあるのをご存じですか。ヒノキ、トドマツ、ヒバのにおい成分にアンモニアの悪臭を通したところ、高い消臭率があることが判りました。木の香りのする空間には、天然のデオドラント効果が期待できそうです。

●樹木精油の消臭率(%)
悪臭 アンモニア 二酸化硫黄 二酸化窒素 酢酸
エタノール中の精油濃度(%)*
5 10 50 100
5 5 5
ヒノキ葉油
26 57 74 97
100 44 20
トドマツ葉油
24 47 68 96
100 40 19
ヒノキ材油
14      
100 49 9
ヒバ材油
  34 63 94
     
*精油の消臭率はエタノールによる消臭を補正後の値。
表は約60ppmの悪臭を、エタノールで希釈した精油中に通過させた場合の悪臭濃度の減少率を示したもの。
希釈していない精油はいずれも60ppmのアンモニアに対して90%以上の消臭率がある。
資料:矢田貝光克 山林,1998


ホルムアルデヒドを吸い取る木の成分
 最近、シックハウス症候群が話題になっています。これは、家具、カーペットなどに使われる接着剤や塗料から出る物質が空気を汚し、頭痛やぜんそく、アレルギーなどを引き起こすというものです。中でも、接着剤から出るホルムアルデヒドが問題となっています。ところで、ヒノキ、ヒバなどの木の成分には空気中のホルムアルデヒドを吸い取り、減らす働きがあることが判っています。
  ●植物精油成分等によるホルムアルデヒド除去率
植物精油成分等によるホルムアルデヒド除去率の帯グラフ
資料:矢田貝光克 山林,1998


コラム:木のにおい成分は健康によい
室内写真 最近、部屋の中をただよう物質(揮発性有機化合物:VOC)が注目を集めています。室内のVOCにはホルムアルデヒドなどが含まれ、シックハウス症候群を引き起こすなど、健康を損なう恐れがあるからです。
 ところで、木の内装の室内をただよう物質の中には、リモネン、αピネンなどのテルペン類からなる木のにおい成分が多く含まれています。花やくだものなどにも含まれるこうしたにおい成分は、このパンフレットでも見てきたように、抗菌の働き、ダニを寄せつけない働き、いやなにおいを消す働き、疲れをいやす働きなど、健康のためにプラスになる働きをすることが色々な調査で判っています。
 有害な物質を取り除き、清潔を保ち、からだにいい成分を出してくれる。人にやさしい木の住環境に暮らすことが、健康な生活を送るための”ひけつ”といえるでしょう。


( 資料提供:高知県木材協会 )