こどもの森
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[小学校の部 中学年] 山の大賞 山林協会長賞

ぼくの友達、知ってるかい
静岡県小山町足柄小学校 四年 齋藤 陵賢

「山の神さん、山の神さん、鬼ごっこしようか、かくれんぼしようか。それとも、木の実で、ママゴトしようか。」
 ぼくの家は、山に囲まれている。この前、東京から親せきの人達が来た時、
「ここに来たら、水が一番のごちそうだ。」
とおじさんが言った。すると、おばさんが
「いやぁ〜、空気の方が、ごちそうだよ。」
と言う。テーブルに並んだ、こんなに沢山の料理より、あたり前の、水や空気の方が良いというから不思議だ。朝起きても、昼いても、夜ねても、いつもと全く変わらない物なのに、一体、どこがどう違うんだろう。山の側で生まれ、育っているぼくは、山も、森も、全てがぼくの遊び場。そして、山には、ぼくのとびっきりの友達がいる。教えてあげるよ。
 ぼくが山に行くと、ほら、もう出てきた。山の神さん、とってもしゃべり好きなんだ。
「ミーン、ミーン、ミーン。」
なんだ、ぼくと今一緒に遊んでほしいのか。
「ジー、ジー、ジー。」
山の中でも暑いっていうの。ぼくは、今日は学校でプールがあるんだよ。うらやましい?
「チロ、チロ、チロ。」
あぁもう秋か。ぼくは運動会がんばらなくちゃ。一等とるから見に来るかい。
「ゴソ、ゴソ、ゴソ。」
ふう、葉っぱもそろそろ冬眠かい。来春、新芽が出るまで、ねむるんだね。もう、遊びにこれないや。夕方、暗くなるのが早いからね。また春、一緒に遊んでやるからがまんしな。
 ぼくの友達は子供好き。でも、毎年少しずつ元気がなくなっている。ぼくらの生活を豊かにする為に、木々が切り倒され、ゴルフ場や、大きな道路に変身されていくから。右肩切られた。左指がもぎとられたって、よくグチるから。でも果たして、それが、ぼくらの本当の豊かさの追求だろうか。都会で緑の公園を作ったり、森を再現してみたり、たとえ人工的に作っても、そこには、山の神さんは住まないという事を大人達は知らないのだろうか。大人だって、その昔、山の神さんにあったはずなのに。思い出してほしい。
 春、
「山の神さん、山の神さん。鬼ごっこしようか、かくれんぼしようか、それとも木の実でママゴトしようか。」
「陵賢さん、陵賢さん、それより助けてくれないか。あちこちキズだらけで痛いよ。」
 ぼくには神さんの悲しい叫びが聞こえる。