| [ 前の画面に戻る ] |
![]() |
|||||||||
工房を始める前の20数年前頃は、おもちゃは色や加工も自由で安価なプラスティック製にとって変わられ、今ほど自然の素材が重要視されていなかった。おもちゃで遊ぶのは子どもである。今でも現役の保育士である奥様が勤める保育園から、その時退職していた野中さんに木のおもちゃを作ってほしいという話があった。乳幼児を預かる保育士さんのなかに、石油からできているプラスティックのおもちゃで、子どもが遊んだり、それらを口に入れるのを既に疑問視する声があがっていたからだ。子どもに安全なものといえば、やはり自然の素材である。もともと手先が器用だったことと、ものづくりが好きだったこともあり木工という世界に足を踏み入れた。 |
|||||||||
![]() ![]() すべり台:保育士さんと話し合い、工夫がいっぱい 上:横からはトンネルのようにもぐれる。下:園にあったベットがすべり台に変身。 ![]() 下は横からもぐれるトンネルになっている。上の滑り台とのセットで楽しい遊びの空間が広がる ![]() ぽっとん、ぽっとんと子ども達にはその音がおもしろい ![]() 工房:この日は机と椅子の製作に追われていた |
いくら器用とは言え、素人では木製品を作るのは難しい。そこで、職業訓練校で木工を1年学び、退職金をつぎ込んで工房を始めた。 始めた頃は、おもちゃづくりがほとんど。木工の世界に入り、子どものためのものづくりを始めると、俄然おもちゃに目がいく。良く見ると、木製のおもちゃは大型の積み木などで、子どもの月齢や発達・成長に見合ったものなどはそれほど種類が多くないことに気づいた。また、子どもが持つものだから、それほど大きい材である必要がない。端材を安く譲ってもらった。意外や、当時製材業者にとっては端材の利用という考えがなく、燃やしたりして廃棄していたので、材料集めには事欠かなかった。つくっている内に、おもちゃの種類は次々と加わった。子どもが安全に遊べるものということで、キメが細かく長く使ってもささくれだたない広葉樹、なかでもサクラが最適であることが分かり、おもちゃはサクラでつくるものが多い。今でもおもちゃは、あまり進化していないという。20年前につくったものが、十分に通用する。お客さんの中には、「変わってないわ、懐かしい」と言ってくれる方も多い。 木でおもちゃを作っていると、今度は木で保育園に置く家具をつくれないかと話が出てきた。家具は、保育士さんと話しながら、その保育園の要望をできるだけ尊重して作る。それぞれの園にあった、スペースや保育士さんの要望を聞き、まず現地で頭にスケッチを描く。そして、保育士さんと対話をし、野中さんの今までの経験でアドバイスを入れながら、納得のいくまで話をして図面を引く。取っ手から、高さまで子どもが安全に使いやすいよう工夫されている。野中さんの家具には決まった寸法はなく、ばらばらなのだそうだ。それらたくさんの図面が、次の家具づくりに活かされる、まさしく財産であるそうだ。最近ではおもちゃより、家具をつくる割合が大きい。 子どもに安全を求めるため、保育・幼稚園の現地はもちろん研究会などにも顔を出す。最近では子育ての相談にのったり、障害児の使う家具もオリジナルでつくっているそうだ。 子どもがいて、おもちゃや家具がある。使う子ども達が安全で安心であること、そしてその環境にあうもの、そのデザインには終わりはなく、追求し続ける木工職人の姿をみた。 あひる工房は、お客様に満足のいくものをつくるため、口コミで広がっている。その場所や使う人に応じた家具は、どうしてもオーダーメイドになるのでカタログは置いてないし、宣伝もしていない。興味のある方は、あひる工房に足を運んでみてください。ただ、お一人で製作・配達まで行っているため、事前に必ず電話して、おられることを確認してから訪れてください。 |
||||||||
|
|||||||||
| 2005年2月16日 |