■南海地震対策
須崎市城山公園の避難路に、上部から覆いかぶさる危険な雑木を伐採した、「黒潮森林倶楽部」の活動ぶりを、ご紹介させていただきます。
もともとこの伐採行事は、南海地震・津波など非常時の避難場所に指定されている同公園のアクセス道路へ、いざという時には倒木し、避難行動の妨げになるのではという多くの市民の不安な声を聞いたのが発端です。
そこで、南海地震対策を重要課題とする地域支援員の立場から、間伐ボランティアの現場で知り合った、黒潮森林倶楽部の中山盛隆会長や、辻高志事務局長にご相談したところ、「自分達の命は行政に頼らず、自分達で守るべき」との素晴らしい決断をお二人がされ、自主防災組織や、町内会、PTAなど幅広く声かけをしたうえで、自分達自ら切ってみようとの方向付けがなされたものです。
最終的には、市役所の全面協力もあったわけですが、その前に、「自分達で・・・」という、お二人のこうした男気に改めて敬意を表するものです。
さて、あらかじめ法面の草刈や小径木の取り除きをした後の本番では、須崎森林組合のプロ3人(高所作業)、黒潮森林倶楽部の、精鋭7人の指導のもと、自主防災会の4組織を中心に、約50人のボランティアが参画してくださり、わずか3時間程度の作業とはいえ、4トン車1台分のチップ材が搬出できる程のはかどり具合でした。
発生した雑木の一部は、小学校有林でもあることから須崎小学校体育館に運び込み、須崎林業事務所の職員3人の指導により、森林愛護の精神をアピールする紙芝居のあと、学童・PTA約50人らに木工クラフト、松葉杖づくり、サスマタづくりを楽しんでもらいました。
小学4年生を中心に作られた木工のオブジェは、光る感性のものが多数あり、そのまま自宅に持って帰らすのは惜しいとして、須崎郵便局に展示することにしました。そして、さりげなくオブジェ群の机の下に、木製ハシゴや簡易松葉杖を置いて一般市民の防災意識高揚も狙いました。
言い遅れましたが、本行事は森林環境税による「高知県こうち山の日推進事業」の一環で行った、「わくわくチャレンジの防災木工事業」と称するものです。
それから体育館では震災を想定した心肺蘇生法、人の運搬法などを須崎消防署の職員に実演指導してもらい、また、須崎警察署からはサスマタをつかった、暴漢の取り押さえ法指導なども、教職員を対象に入念に行われました。
昼前後には山の現場も体育館も怪我人を出さずに作業が終了し、主催者一同ほっとしたことでした。市議会議長も視察に訪れ、多くの市民の避難場所の現状に、何か心動かされるものがあったと思います。
単なる立木の伐採行事でなく、市民の皆さんに危機管理意識を持っていただく機会として、少し役立ったかなと今振り返って感じています。
高知市、四万十市など遠方から応援に駆けつけてくださった森林ボランティア関係者の皆さんに深く感謝申し上げます。様々な機会を通じて、森林ボランティア仲間の輪が広がっていくのは心強く、うれしいものです。以上で報告を終ります。
(高知県地域支援企画員・須崎市駐在 片岡正法)
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