高知自動車道の大豊ICから西へ車で約1時間。澄みきった川、吸い込まれそうな碧い空、緑なす深い森に囲まれた絶好の環境に協同組合木星会がある。この嶺北の地でスクスクと育ったスギ(杉)を使って家具などを製造する工房兼展示場だ。

 大学時代に建築を学んだ代表理事の川村純史さん。実習体験で岡本太郎さんの事務所に行った時に、「これからはデザインの時代になる」という言葉に心を動かされ、デザイン関係の道に進むことを決めた。そして大阪や高知のデザイン会社に勤務後、土佐郡大川村にUターンして林業に従事しはじめた川村さんは、気の合う8人の仲間とともに昭和59年に「木星会」を設立した。
 
 「木星会」の家具に対する考え方は一風変わっている。家具はキズがつかないように気を遣いながら使うのが普通だ。しかし木星会の商品はもともと柔らかい杉を使っているためキズがつきやすい。だからキズも一種のデザインと考え、味わいとみなせばいいというわけだ。普通ならばマイナスとなる節(ふし)も同じ。天然素材の素朴さを味わいたければ、節やキズはむしろ自然なことではないのか。川村さんはそう考え、使えば使うほどキズができ、それが深い味わいとなることから「ジーンズ家具」と呼んでいる。使い込まれた家具は、さしずめビンテージ家具というわけだ。
 
 また家具を製造する人にとって、机とは脚を下から天板に留めるのが常識だが、それを覆したのが木星会だ。川村さんは「上から留めたほうが強度は出るし、何よりネジ穴の埋木をデザイン化すればいい」といろいろな家具の製造メーカーに相談してみたが、皆が「常識外れのことはやめておけ」と相手にしてくれない。このプロたちの反応を見て川村さんは逆に、「これは売れる」と確信したという。そして販売してみると、思惑通りヒット商品となった。それが「葉型テーブル」(45,000円〜)だ。その他にもロボットの形をした棚、ドングリやさやえんどうを模った椅子、クマやウサギの形をした子供家具などとても面白い商品を販売している。

 川村さんはまた、家具づくりで教育関係者の役に立ちたいとも考えている。あるとき学校関係者から、姿勢が良くなる椅子をつくってほしいとの依頼があった。そして考え抜いた挙句、3本脚の椅子を考案した。これは、後ろの脚は通常の2本で前の脚を真ん中1本だけにしたもの。座った人が左右に少しでも傾くと倒れるため、この椅子を使うと自然と姿勢が良くなるという。まさに日頃思っていたことが実現した瞬間だった。

 「何でも安全につくればいいというわけではない」と言う川村さん。家具づくりはあるいは人づくり、社会づくりにつながるのかもしれない。そんな思いにすらさせられる「木星会」の挑戦に、これからも期待したい。


ショールーム「木星館」

家具のほとんどは
地元産のスギを使っている

葉型テーブル

どんぐりテーブル
(協)木星会
土佐郡大川村大北川226

TEL
 0887-84-2344
FAX
 0887-84-2261
e-Mail
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