代表の和田修一さん

ログテーブルとログベンチ

「猫の爪とぎ」に大喜び

作業中の和田さん
さめうらこむ
土佐郡土佐町田井1370-26
TEL 
0887-82-0301
FAX 0887-82-0353
e-Mail

wada@sameura.com
URL

http://www.sameura.com/

 “四国の水瓶”にたと喩えられる早明浦ダム。そのほとりにある自然豊かな土佐町に、地元のスギ(杉)とヒノキ(桧)のみを使って家具づくりをする「さめうらこむ」がある。代表者は和田修一さん。「丸みや曲がりなど、原木の魅力をできるだけ残した商品をつくりたい。そしてお客さんには、うちの家具を通じて自然を堪能してほしい」と語る。

 「さめうらこむ」は、原木の魅力を最大限に生かすため切株などの原木や耳つき板(木表面の模様や形を残したもの)をストックしておき、顧客の要望する商品の大きさやイメージに適した木材を選んで加工する受注生産を行っている。

 また丸太などの天然木から家具をつくる場合も、普通の木工所なら木を割ってから加工するが、ここではそれをしない。和田さんは「割れるのは無垢の証。人工的にきれいに割るより、自然に割れた跡のほうが自然でしょ」とこともなげ言う。ほとんどの商品が受注(オーダー)生産でつくられた世界にひとつだけのもの。均一製品が溢れかえる世の中で、客のわがままを徹底的に聞いて加工してくれるとは、なんとも贅沢である。

 注文は学習机やPC机、テレビ台、手づくり本棚、ベンチ、ログテーブルなど多種多様だが、受注生産ではないユニークな企画商品もある。そのひとつを紹介しよう。

 ある日、「部屋のオブジェを兼ねた猫の爪研ぎを作ってほしい」という風変わりな注文メールが舞い込んだ。猫を飼ったことのない和田さんには猫の習性がまるでわからない。本やインターネットで調べ、ペット関連会社の類似商品を探したりしてさんざん悩んだ挙句、人間も猫も同じ動物なのだからきっと無垢の木を好むはずと信じて試作品をつくりあげ、祈るような気持ちで送った。すると数日後、爪を研ぐ猫の写真を添えたお礼のメールが送られてきたのだ。和田さんはこのときほど、木工の仕事に携わって達成感を覚えたことはないという。そして数ヵ月後、猫も喜ぶ「猫の爪とぎ」(税込3,500円〜)が完成。専門誌の月刊「Cats」に掲載されたこともあり、今ではヒット商品となっている。

 「さめうらこむ」の大きな特長のひとつ、それはリピーターが多いことだ。評判を聞きつけた顧客の知り合いから注文が来ることも少なくない。そして彼らがよく口にする言葉が「他と比べるとだいたい半値」。口コミとリピーター客に支えられているから広告宣伝費が不要だし、地元産材を加工して直接販売するので中間コストがかからない。だからリーズナブルな値段設定ができるのだ。

 手ごろな価格、地元産材のみ使用、自然の風合いを生かす、客のわがままに応える受注生産。和田さんが、決して効率的でないこのやり方にこだわるには、ある特別なわけ理由がある。県外からのIターン、Uターンを呼び込み、土佐町を“木工の町”として全国に名を轟かせる存在にしたいという夢。和田さんが生み出す商品の1つひとつにこの“夢”が込められているからこそ、心に響く逸品となるのだろう。

 
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