| ユズ加工商品でいまや全国に名を知られる馬路村だが、村内にある「うまじ特産工芸センター」では馬路のもうひとつの特産品、樹齢400年〜500年の魚梁瀬(やなせ)杉の一枚板を販売している。昔ならばさほど苦労せずとも見かけた樹齢数百年の大杉も、今では貴重品になり市場にもあまり流通しないので、これはレアものといえる。
荒々しい木目や優しい木目など表情はさまざま、まさしく馬路の大自然が織りなす芸術品ともいえる一枚板の数々。展示されている中から好みの一枚板を選び出し、テーブルや座卓など好みの大きさや形に加工してもらえる。樹齢数百年の魚梁瀬杉で世界にひとつしかない自分だけのテーブルを作るというサービスは、いまやこの上ない贅沢かもしれない。ちなみにこのサービスは高知市南御座にあるエコアス馬路村のアンテナショップ「森の情報館・ECOASU馬路村」でも行っている。座卓をオーダーして和室に置いたある客は「部屋がキリッと締まって見え、清々しい杉の匂いが部屋全体に染みわたる。とても落ち着きます。もう頬ずりしていますよ」と手放しだ。
うまじ特産工芸センターではまた、食器や花瓶、額、時計、表彰状、名刺、ハガキまで木でつくって販売している。これを見ると木製の食器づくしで食事をしたらどんなだろうか、とふと思う。木の器は軽くて扱いやすく、陶器とは違った温かみや手触り感がある。きっと楽しい食事になり、食も進みそうだ。あるいは年賀状や暑中見舞に木製ハガキを使うのはどうだろう。文章に木のもつ温かみがミックスされてあなたの気持ちがより確かに伝わると思うのだが…。
馬路村一帯は温暖湿潤な気候風土で、全国屈指の多雨地域。このため杉の生育にとても適している。最適な環境で育った魚梁瀬杉は木目が美しく秋田杉や吉野杉と並んで日本三大美杉のひとつに数えられ、建築材や一枚板としての評価が高い。ここで展示されている木製品はすべてこの魚梁瀬杉を加工して作られたものだ。
しかし馬路村役場産業建設課の高橋宏明さんによると、馬路村でも樹齢が400年を超える立ち木はほとんど残っていないため、いまストックしている木材が売り切れると手に入れることは困難になるとのこと。そう聞くと、うかうかはしていられない。
馬路村の入り口には、総合案内及び特産品売場を兼ねた施設「まかいちょって家(や)」があり、休憩を兼ねてちょっとしたショッピングを楽しむこともできる。うまじ特産工芸センターの商品のほか、ユズを原料にした食品や加工品、木製のバッグ「MONACCA(モナッカ)」、木製の皿や茶碗、花瓶、時計、うちわなど温かみのある馬路村の特産品が販売されている。「馬路村へショッピング」、ちょっと面白い趣向だ。
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