山のしごと
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テーマ:池川町における集団間伐の事例 〜見ノ越地区・北浦地区からのレポート〜
 
代表報告者:伊野林業事務所 AG 戸田 篤

今回報告しますのは、平成14年度に実施された池川町見ノ越地区および平成15年度に実施されています北浦地区における集団間伐について、関係者の話を中心に報告します。

実施地区(見ノ越地区・北浦地区)
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  集団間伐の実施地区は、池川町役場の西南部に位置している「見ノ越地区」と「北浦地区」で、2つの地区は隣接しています。
平成14年度に見ノ越地区において、造林関係補助事業および治山事業で実施された面積は、117ha、森林所有者93名となっており、これ以外で実施した所有者を含めますと100名強となります。樹種別・齢級別面積は、表のとおりで、スギ87%、ヒノキ13%となっています。   森林面積(見ノ越地区)
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所有面積割合(見ノ越地区)
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  所有面積規模の割合は、1ha未満の所有者が63%となっています



○出演者の紹介
 
 
これから登場していただきます2人を紹介します。
当時の黒川さんは、間伐推進員ではなく、一森林所有者でした。
下本康浩氏しももと やすひろ
下本 康浩 氏
仁淀川森林組合池川支所
黒川照明氏くろかわ てるあき
黒川 照明 氏
池川町間伐推進員
 
 



●集団間伐のきっかけは?
下本氏   下本氏:
少しでも間伐面積を増やしたいと思い、見ノ越地区の国土調査の完了と同時に少しでもやってみようと。この見ノ越地区の山を知っちゅうのは黒川さんというのを聞いて相談をした。
 
  黒川氏:
最初は「黒川さんの山」を間伐させてもらえないか。という話だったが、その後、もうちょっと広い範囲でできないかという話やった。
  黒川氏
(左)下本氏、(右)黒川氏   黒川氏:
「同じ部落で、山が隣接している人に話したら30haは無理かもしれんが、半分くらいは・・・」のつもりで2〜3人に話をした。
そしたら、なかなか熱心で調子がようてねぇ。それで部落のみんなに話をしたがよ。はじめは、1つの団地(30ha)が出来たら上等よという思いやった。
 



●所有者にはどんな方法で勧めたのですか?
  黒川氏:
部落の人には面接して話をした。
そしたら皆が快く賛同してくれてねぇ。
それやったら、よその部落の人、遠いところへ出て行っちゅう人に話したらいくろうし、この地には関係のない所有者にも一応話をしてみろう思うて手紙を書いたがよ。手紙を出した人の1/3くらいは電話で話したり、出向いていったりしたけんど、そのほかの人は、その手紙で納得してくれた。
  黒川氏


●所有者は何人くらいだったのですか?
黒川氏
そうじゃねぇ、全部で100人越えちょった。その中で、参加せんという人は、たった1人やった。

下本氏
うん、越えちょったねぇ。
(左)下本氏、(右)黒川氏  黒川氏
勧めるには「これくらい良いものはない。非の打ち所はない。是非やらんとイカン。どうしてもやれ」という内容でなく「森林組合で共同間伐を行う準備を進めているが、1回間伐したら10年間は皆伐することもできない。また、40%間伐するので、間が空くが、そこへ災害が起きても保証は出来ません。また、これは、皆さんに無理に勧めるのではなく参加しようと思う人は参加してください」と・・。案外それがよかったのかもしれん。

間伐作業

 

  「いよいよ間伐が出来るとなったとき」、「途中の状況」、「終わったとき」には皆さんに通知をし、それ以外にも何かあれば電話をしたりね。
本当に、みんなが心安う承知してくれたので、うちの部落はやりやすかったねぇ。
森の中



●平成15年度実施の北浦団地は?
下本氏   下本氏:
隣の北浦団地は、見ノ越と同じように黒川さんに相談して・・
黒川さんは北浦に山を持ってないので、見ノ越でやったノウハウを活かして力を貸してもらえんろうかと。
 
  黒川氏:
相談を受けたものの、自分は北浦には山はないし、「所によったら木が3本くらいしかない幅の狭い山がいくつも重なっている」という話も聞いちょったし・・・。こりゃー 見ノ越と同じようにやってもどうも無理じゃなかろうか・・・。
早速引き受けてもこりゃイカンと思うて、よい返事はようせんかった。
  黒川氏


黒川氏   黒川氏:
まあ、下本さんの話を一回は伝え、所有者の意向も聞いてみろう思うて北浦に行ったです。ちょうど、比較的山を持っている2人の所有者に会って話をしました。「そりゃ、悪いことはないけんど、どうも難しゅうなかろうか」と言うのがはじめでねぇ。
いろんな事業の話をし、「少しでもやってみんかよ」と言うて別れたがです。その際に「それやったら、やってみんといかんねぇ」という、前向きな言葉をもらったんです。

北浦の区長さんに協力して、見ノ越でやった事を参考に少しでも助けになればと・・。そういう思いでね


●間伐した後の反応はどうでしたか?
黒川氏:
間伐をしてどうだったかについて、私の想像だけでは話が出来ないので見ノ越の部落だけですが、私なりのアンケートをとりました。

間伐して良かったか?   40%の間伐率は?
大変良かった 14人   もっと切っても良い 7人
まあまあ良かった 3人   ちょうど良い 9人
わからない 1人   切りすぎ 1人
悪かった 0人   わからない 1人
  黒川氏
となっており、間伐を勧めて良かったと思い自信が持てた次第です。
アンケート用紙



●今後の間伐推進に向けては?
下本氏   下本氏:
一人よりは二人、一人やりよる人がおったら「隣は誰やろう・どんな木やろう」というのを常に見て・・
簡単にはイカンろうけんど、少しでもきれいな山を多くしたいという思いはあります。
 
  黒川氏:
何事にも苦労は付きもんじゃけんね。
ハッハッハッ
  黒川氏


●なぜ集団化が可能となったか?
  • 森の中国土調査が完了していたこと
  • 適任の世話役がいたこと
     山を知り・人を知っていた(地域に関係のない所有者など)きめ細やかなフォローや信頼があった
  • 地域に在住する所有者の方向性が一致したこと
     不在村所有者等への説得力が増した
  • 2度3度と足を運んで説明したこと
     手紙・電話でダメなら戸別訪問
  • 森林組合職員の積極的行動・役場のバックアップ
  • 高率の補助事業対象地であったこと
     高率補助対象の土保全林(保全型)であり、45年生までの間伐補助対象地

●今後の課題(目指すべき方向)
  • 森の中国土調査未実施箇所における集団化
     地域在住の所有者による『きっかけ』づくり
  • 間伐計画地に隣接する森林の把握
     小さなところから集団化
  • 間伐材の有効利用(所有者への還元)
     集団化による搬出コストの低減
     有効な路網の計画



 
 
林業改良指導員としての関わり
・将来価値のある山づくり(間伐の必要性)
  独自のパンフレット等の配布・森林の状況写真(不在村者へ重点的に)

・間伐を推進するには?(各種補助制度等の紹介)
  市町村・森林組合と共同して森林所有者への広報活動
  新たな事業体への普及
  収入の得られる間伐方法の普及