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(1)鹿に出遭える山と(2)リスに出遭える山



②リスに出遭える香北町最高峰

【見事な縦走路と連続する行場】

 神賀山(1071m)~中都山(1440m)・地形図=奈呂、東土居
*読み方=じんがやま~なかつやま

 リスは鹿や猪、狸等と比べると生息数はずっと少なく、普通の山では容易に出会えません。私も県内の山ではこの香北町最高峰の中都山と馬路村魚梁瀬の猪ケ森でしか見たことはありません。この二山の内でも中都山の方が遭遇する確率は高いでしょう。

 香北町と物部村の町村界尾根に、尾根続きで座する、山岳宗教色を現在に色濃く残す神賀山と中都山。この二山を縦走するわけですが、このコースの魅力は何と言っても、縦走尾根からの展望と、コースの随所に現れる奇岩怪石などの行場です。コースの9割近くが胸のすく展望があり、ブナやカエデ等の原生林も豊富です。

〈車でのアクセス〉
 香北町の国道195号線で、いずれかの橋を渡り、物部川の対岸の県道217号線に入り、猪野沢温泉を目指します。温泉を過ぎ、バス停「引立」から左上にジグザグに上がる道に入ります。

 T字路に突き当たると左折します。右手に浄水場を見るとほどなく三叉路に至り、ここは右に行きます。そして2キロ弱程行った左ヘアピンカーブで道標を見て、右に折れる神賀林道に入ります。この林道は一見、路面状態が良さそうに見えるのですが、道を横断する水切りの溝が、かなく深くえぐられている箇所があるので注意して下さい。私は速度を上げて走っていて、この溝に前輪をぶつけ、ホイルがひしゃげて走行不能になりました。

 もうここから先は、「神賀山」若しくは「神賀神社」への道標を見逃さなければ、間違いなく登山口迄行けます。林道が終点近くになると、右手に簡素な公衆トイレのある広場が現れます。ここは神賀神社参拝者用の駐車場です。普通車はここに駐車することになりますが、四駆車は林道終点の鉄塔付近迄乗り上げられます。

〈コース説明〉
 駐車場からほどなく神賀神社が右手に現れます。神仏に興味がない人はそのまま林道を進み、登山の無事を祈りたい人は参拝後、堂宇の裏から山道を下ります。山道はすぐ林道に降り立ち、間もなく鉄塔に着きます。ここからの展望は素晴らしく、谷をはさんだ送電線続きの大星山(1431、7m)から南の御在所山へと伸びる尾根が一望出来ます。以後、ずっとこの展望が続きます。道も整備されています。

 尾根道はほどなく植林帯の尾根の西直下を通るようになります。鉄塔から二つ目の顕著なピークが神賀山なのですが、尾根道から山頂に向かう道はありません。しかし一分以内で山頂部に立てるはずですから、適当に植林の中を上ってみて下さい。三角点は笹の中でやや探しづらいかも知れません。

 以降、尾根道沿いには修験行場が次々と現れます。桧石、ワスレ石、杖立、夫婦岩等々、岩の上にそのまま御神体らしき奇怪な石が置かれていたりと、気がつくと行場巡りに夢中になっています。中都山に近づいて来ると展望もなくなり、笹が生える林の中に入ります。

 「地蔵休場」という行場から10分足らずで中都山分岐に至るのですが、’98年時はそこには道標も赤テープもありませんでした。しかし、刈り払いされた明瞭な道が左に上がっているので、分かると思います。この分岐近くでよくリスが見かけられます。

 急登を十数分で重厚な祠のある中都山頂です。祠には「天保七申年」の刻字が読み取れます。これは大山祗神社ではないかと思われます。この社の左前のしめ縄を張って、黄色いポールが立てられている箇所が「ツラジロお馬屋」と呼ばれていて、その昔、轟音轟かせて山々をかけ巡っていた巨大な神馬の住処だったと伝えられています。

 山頂から南西への道を下れば、石殿や地蔵が立つ、規模の大きい行場に至りますが、引き返すのがしんどいので、あまりお勧めしません。まだ余力のある人は山頂から北東に下って、中都山分岐から続く山道に出て、北の奥神賀山(1442、2m)を目指せばいいでしょう。道幅も広く、整備されています。
〈所用時間〉
駐車場(0:25)神賀山頂(0:35)ワスレ石(1:15)中都山分岐(0:15)中都山頂(0:40)ワスレ石(0:45)駐車場


*収録著書=「土佐のマイナー山」(南の風社刊)

画像1
中都山頂の祠

画像2
整備された縦走路
画像3
巨岩・夫婦岩の間をすり抜けて行く


【関連ページURL】http://www9.plala.or.jp/romp/
 

2005-10-05



①鹿に出遭える山

私が過去に野生動物に遭遇した山をこのコーナーで紹介していきたいと思います。尚、出遭うのは一瞬ですから、動物の画像がないことに関してはご容赦下さい。

私がこれまで県内の山で遭遇した野生動物の中で、最も多いのが鹿です。登山未経験者からすれば、そんなに、鹿って多いの?と思うかもしれませんが、生息範囲は県下全域の山地に広がる、と言っても過言ではありません。但し、登山者がわんさかと登るメジャー山は別です(例外を除く)。
今回は鹿の最も多い山を県内のメジャー山、マイナー山、そして特別に関西の山の順で紹介します。

<メジャー山>
佐々連尾山(1404m)・地形図=佐々連尾山
この山は登山口周辺の林道の状態や山頂手前の登山道等の藪の状態からすると、メジャー山と言うには、少々問題がありそうな気もするが(‘90年代後半時)、三冊のメジャーなガイドブックに紹介され、誰もが認める有名峰となっている。それは、メジャー山では県下一の鹿の生息地という事実によるところがあるのかも知れない。

車でのアプローチは市販書をご覧になれば分かることだが、念のため記しておきたい。
高知市から高速に乗り、大豊インターで下りる。そして国道439号線を西に向かう。この国道は一応、片側一車線の計二車線だが、直線からいきなり急カーブに入る箇所が多々あるので、スピードは控えめに。因みに私はどんな急カーブでも二車線道はブレーキを踏まない主義だが、真似はしないように。

本山町に入り、嶺北消防署から二つ目の信号を右折して、土佐本山橋を渡る。渡ったら左折。二つ目の三倉橋も渡ったら左折。道なりに西に進むと汗見川に架かる橋のたもとに「白髪山自然公園」の標識が立っているので、これに従い、汗見川沿いの県道264号を北上する。白髪山に至る林道をやり過ごし、尚も北上していく。

逆瀬橋から二つ目の左ヘアピンカーブの橋の手前に標識が立っているので、これに従い右折し、悪路の林道逆瀬線を行く。登山口にも道標が立っているので分かる。尚、逆瀬林道や逆瀬橋から北の県道はよく工事をしていて、通行止めになることがある。

30分ほど登ると、地蔵が鎮座する伊予三島市へ下る中川峠に達する。ここからは西へ県境尾根を行く。各種ツツジ類やブナ、ナラ、モミ等の自然林の笹道だが、頂上が近くなると、笹が深くなり、藪漕ぎの観を呈する。朝露がついていれば、スボンは泥だらけになるので、オーバース゛ボンを穿いていた方がいい。

山頂は狭く、三角点標石があるだけだが、鹿がよく群れている場所はここから西に下って、辺りの開けている所。もしここにいなくても、更に西に進んで行けば出遭える確率は高い。

<マイナー山>
 城戸木森(908.4m)・地形図=米の川
読み方=きどきもり
所在地=幡多郡大正町・高岡郡窪川町
グレード=初級

 20年程前、樹木が空気中に発散する化学物質「フィトンチッド」に接する健康法として、森林浴がブームになった時、幡多地方やその近隣の山でも、国有林を中心に、林野内に散策道が整備されました。その一つがこの城戸木森山中を走る「森のみち」です。「森のみち」というだけあって、自然林が豊富で、登山口から山頂まで、道沿いはその99%が自然林で、植林を見ることは殆どありません。モミやツガ、ヒメシャラ等の巨木にも出会えます。それだけに野性動物も他の山より多く生息していて、鹿については、県下のマイナー山の中では随一の生息数でしょう。私が登山した時には、三度も鹿を目撃しました。登山コースも何種類かありますが、最もポピュラーなコースを紹介したいと思います。

〈車でのアクセス〉
 窪川町から国道381号線で大正町に入り、大正町からはそのまま真っ直ぐ進めば、檮原方面へ向かう国道439号線に繋がります。439号線に変わってから3キロほどで大奈路集落に至ります。集落入り口にある武政自動車の手前の三叉路を右折し、大奈路橋を渡ると再び右折し、中津川沿いに伸びる町道大奈路中津川線を進みます。
 向きが東から西に転じ、町界の842mピークの南西の左ヘアピンカーブの所まで来ると、山手に国有林28林班と24林班の境界標識と、「大学・城戸木森コース」と書かれた白い道標が現れます。ここが登山口です。登山口前の駐車スペースは狭いので、先客がいれば、少し林道を先に進むか引き返すかして、適当な車両待避所等を探して下さい。

〈登路説明〉
 登山口からはしっかりした尾根道を上がって行きます。のっけから急登ですが、この急登は稜線まで続く訳ではないので、安心して下さい。登り始めてすぐ分岐があり、右に尾根を逸れていく道の方が明瞭ですが、コースは真っ直ぐのカヤが茂っている尾根道です。

 標高に於て、七、八十メートルほど上ると、ここで初めて道は尾根を右に逸れ、尾根直下の二次林の中を進むようになります。起伏の殆どない緩やかな道です。段々左手の稜線が近づき、前方が明るくなってくると、二次林を抜け出て、稜線に出ます。ここからは上部の空と東方が開けます。何とも気持ちのいい道です。すぐ先に簡易ベンチもあるので、周りの風景を楽しみながら休止してもいいでしょう。起伏も相変わらず緩やかで、東方には扇山や枝折山も見え隠れしています。

 心なしか勾配がついて来たかなと思うと、小ピークに達し、ここから下り始めると、道は再び尾根を逸れて西直下の林の中を通るようになります。この区間では最初の二次林の区間とは違い、時折大木も現れるようになります。鹿に出会えるのもこの区間です。道は踏み跡に変わり、薄くなりますが、道々の木々には「森のみち」の番号札が巻きつけられてあり、これが指導標代わりになります。

 最初の稜線に出た地点から半時間ほどで、再び806mピーク南西の稜線に出ます。ここでは東から上がってきた道と合流する三叉路となっています。ここから山頂まではずっと尾根道を辿ることになりますが、西方の進路方向に目をやると、馬車が通れるほどの広い道に変わっていることに驚きます。が、標高770mからの上りに差しかかる頃には、通常の幅の登山道に変わっています。これを上り切ったピークには23林班と24林班との境界標が立っています。ここには北の中津川林道23支線の「23区登山口」(朽ちかけた木製の梯子がある崖)から別の登山道が上がってきています。ここからは一旦起伏は緩やかになりますが、再び勾配がきつくなると、山頂への最後の上りです。

 山頂の手前で再び道は東に逸れますが、東下に植林帯が現れた地点でまた尾根に乗ります。1分以内で山頂です。山頂には大きな一等三角点標石がどっしりと埋まっています。麓の集落に登山案内板が建っているわりには、登頂記念板は一つしか設置されてなく、非常に静かです。展望はありませんが、空は開けていて、ある程度風もそよいでいます。山頂から西へは、栃谷コースと大筋山コースが下っているはずですが、踏み跡は不明瞭です。帰路は元来た道を引き返します。

〈コースタイム〉
登山口(0:20)稜線(0:50)23・24林班境界(0:13)山頂(0:40)稜線起点(0:15)登山口

* 収録著作=「土佐のマイナー山頂コレクションvol.1」(ロンプ事務局)

<関西のメジャー山>
日出ヶ岳(1695m)[奈良県上北山村]

私は過去10年間大阪に在住していたことがあり、その頃に山歩きに目覚めました。中でも近かった奈良県によく出かけていました。自宅マンションから徒歩で山道の、奈良県境の峠まで行けたぐらいです。
奈良には関西有数の避暑地があります。その一つが、世界有数(世界で第三位)の降雨地域「大台ケ原」なのです。広大な笹原台地で、そこに林立する白骨林は神秘的でもあります。渓谷や吸い込まれるような断崖もあり、登山シーズン中の路線バスは「登山バス」と化します。

 この笹原に多数の鹿が群れているのです。観光地化されているとは言え、奈良公園の鹿のように、人に慣れているわけではありません。ですから、少々手前から見ることになります。

 大台ケ原の最も標高が高いところが日出ヶ岳ですが、山頂にはコンクリート製の展望台が建っていて、観光客でも登れます。もちろん360度の展望が望めます。
 日出ヶ岳の近くには関西唯一の秘境と言われる「大杉谷」に下る道もあります。大杉谷は「西の黒部」とも言われる大渓谷ですが、黒部渓谷のような、転落死亡事故はほとんどなく、初心者でも途中山小屋泊まりで、楽に下れる整備されたコースがあります。落差100mを越える滝を見たり、小さな遊覧船に乗ったりと、とにかく楽しいコースですから、大台ケ原とセットでトレッキングすることをお勧めします。

*収録著書=「土佐のマイナー山」
 

画像1
城戸木森山頂

画像2
佐々連尾山の鹿に遭う笹原
画像3
大台ケ原の鹿たち


【関連ページURL】http://www9.plala.or.jp/romp/
 

2005-09-05


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